はじめに
「最近なんだか疲れが取れない」「食べてもすぐにだるくなる」――そんなときは、胃腸の弱りが背景にあるかもしれません。東洋医学では、胃腸を「脾胃(ひい)」と呼び、体のエネルギー源を生み出す要の臓腑とされています。胃が弱ると、消化吸収が落ち、体全体にパワーが行き渡らなくなり、慢性的な疲労感につながるのです。
今回は、胃が弱って疲れを感じるときにおすすめの食事の工夫を紹介します。
基本のポイント
- 消化にやさしい調理法
蒸す・煮る・スープにするのがおすすめ。油っぽい料理や生ものは控えましょう。 - 温かい食事を心がける
冷たい飲み物やアイス類は胃腸を冷やし、働きを弱めてしまいます。常温〜温かいものを中心に。 - 少量をこまめに
一度にたくさん食べるより、少しずつ食べるほうが胃に負担がかかりません。
胃を助けるおすすめ食材
- 穀類:おかゆ(白米・もち米)、柔らかいうどん、雑炊
- 芋類:さつまいも、里芋、じゃがいも(煮物や味噌汁に)
- 豆類:小豆(おかゆやスープ)、豆腐、湯葉
- 野菜:にんじん、かぼちゃ、大根、白菜、ほうれん草(柔らかく煮て甘味を引き出す)
- 果物:りんご(すりおろし・コンポート)、なつめ、バナナ(常温で)
- たんぱく質:白身魚、鶏ささみ、卵(半熟卵や茶碗蒸し)
控えたい食べ物
- 冷たい飲み物や生野菜サラダ
- 揚げ物・脂っこい肉料理
- 辛い香辛料を多用した料理(カレー、激辛鍋など)
- コーヒーやアルコール
簡単な一日の食事例
- 朝食:おかゆ+梅干し少量、かぼちゃの煮物
- 昼食:柔らかいうどん+白身魚の煮物+ほうれん草のおひたし
- 夕食:雑炊(鶏肉・卵・白菜入り)+大根の煮物
- 間食:りんごのコンポート、甘酒(ノンアルコール・加熱済み)、なつめ茶
まとめ
胃腸はエネルギーを生み出す「工場」のような存在です。弱っているときは、胃にやさしく、消化を助ける食事を意識することで、体力の回復につながります。温かくてやわらかい食事を中心に、少しずつ取り入れてみてください。