スマートフォンは私たちの生活に欠かせない存在となりましたが、長時間の使用や不適切な姿勢が体に与える影響が懸念されています。最近バングラデシュとインドの大学で行われた研究では、スマートフォン依存と手の痛みの関連性が明らかになりました。
この研究では326人の男女大学生を対象に調査を実施。その結果、スマートフォン依存度が高い人ほど、手のさまざまな部位に痛みを感じる頻度が高いことがわかったのです。
手の痛みを感じる主な原因は次の3つです。
- 長時間のスマホ保持によるグリップ力の持続
- 手首の屈曲や尺骨の偏位
- 親指の反復運動
特に親指の付け根から手のひらにかけての痛みを訴える人が多く、調査対象者の23.6〜37.7%に上りました。
スマホの長時間使用は、手の筋肉を酷使し、疲労やダメージを蓄積させます。まるで反復性ストレス障害(RSI)のような状態を引き起こすのです。
ただ、痛みの予防は決して難しいことではありません。簡単な生活習慣の改善で改善できます。例えば、
- 20分に1回は休憩を取る
- 正しい姿勢を保つ
- ストレッチを行う
など、スマホ使用時間をコントロールし、こまめに体を動かすことを心がけましょう。
スマホは便利な反面、依存のリスクもはらんでいます。私たち一人一人が賢くつきあっていくことが大切。若者を中心に急速に広がるスマホ依存の弊害について、もっと積極的に啓発していく必要があるでしょう。たかがスマホと侮らず、手から始まる健康管理を実践したいものです。
参考文献:
Ahmed S, Mishra A, Akter R, Shah MH, Sadia AA. Smartphone addiction and its impact on musculoskeletal pain in neck, shoulder, elbow, and hand among college going students: a cross-sectional study. Bull Fac Phys Ther. 2022;27(1):5. doi:10.1186/s43161-021-00067-3