副鼻腔炎と痰を改善する食事法

〜からだの中から呼吸を整える〜

はじめに

慢性的に痰がからむ、鼻の奥に膿が落ちる感じが続く——。
それは「副鼻腔炎(ふくびくうえん)」による粘膜の炎症が関係しているかもしれません。
薬だけでなく、日々の食事を見直すことで、体の自然な排出力を取り戻すことができます。


副鼻腔炎とは

顔の中には「副鼻腔」と呼ばれる空洞があり、ここに炎症が起きて膿がたまると鼻づまりや後鼻漏(こうびろう:鼻汁が喉に落ちる症状)が続きます。
原因は感染やアレルギー、胃食道逆流、生活習慣などさまざまですが、慢性炎症と粘液の排出障害が共通の問題です。


食事で整える3つのポイント

1. 炎症を鎮める食品を増やす

  • 青魚(サバ・イワシ・アジなど):EPA・DHAが炎症を抑える
  • 緑茶・ブロッコリー・ターメリック:ポリフェノールやクルクミンが抗酸化
  • にんじん・かぼちゃ・柑橘類:ビタミンA・C・Eで粘膜を保護
  • 牡蠣・カボチャの種:亜鉛で免疫バランスを整える

2. 痰をやわらげて排出を助ける

  • 水分をしっかり(1.5〜2L/日)摂る
  • 生姜・ネギ・大根おろし:粘液を分解し、気道を温める
  • タイム・ミント・ユーカリなどのハーブティー:抗菌・去痰効果

3. 炎症を悪化させる食品を減らす

  • 乳製品(牛乳・チーズ)や甘いお菓子は粘液を増やしやすい
  • 揚げ物・加工食品は体を「湿らせ」、炎症を長引かせる
  • 冷たい飲み物やアルコールは鼻粘膜の血流を下げる

一日の食事例

時間内容
生姜湯+オートミール+キウイ+はちみつ少量
サバの味噌煮+大根おろし+玄米+ネギ入り味噌汁
鶏と野菜のスープ(にんにく・人参・れんこん入り)+ブロッコリーのおひたし
間食緑茶・ゆず湯・素焼きナッツ

東洋医学の視点から

東洋医学では、副鼻腔炎は「痰湿(たんしつ)」と「熱」の偏りによるものとされます。
油っこいもの・甘いものを減らし、脾(消化吸収の要)を整えることが大切。
大根、れんこん、山芋、はとむぎ、緑豆、百合根などは「痰を取り、熱をさます」食材として知られています。