眠れない夜に効くツボ ―「照海(しょうかい)」のはなし

「目は冴えているのに体は疲れている」あなたへ

布団に入っても頭の中だけが動き続けている。明け方にやっと眠れたと思ったらもう朝。──そんな夜が続いていませんか。

東洋医学では、こうした不眠を「陰(いん)が足りない状態」と捉えます。体には日中に活動する「陽」の力と、夜に体を鎮めて眠りに導く「陰」の力がバランスよく備わっていますが、ストレスや疲労、加齢などによって「陰」が消耗すると、体を冷まし鎮める働きが弱くなり、頭や心が高ぶったまま眠れなくなってしまうのです。

そんなときに頼りになるのが、足首にある 照海(しょうかい) というツボです。

照海はどこにある?

照海は、内くるぶしのすぐ真下にあるくぼみにあります。

内くるぶしの一番高い場所に指を当て、そのまま指1本分ほど真下に下ろすと、指がすっと沈むやわらかいくぼみがあります。そこが照海です。

なぜ不眠に効くのか

照海は「陰蹻脈(いんきょうみゃく)」という経絡につながる重要なツボです。陰蹻脈は、足から目元へとつながり、まぶたを閉じて眠りに導く働きを担うと古くから考えられてきました。

実際、古典には「目を閉じれば即ち睡る(ねむる)」という意味の記載があり、照海は不眠治療の代表的なツボとして長く使われてきています。

働きをまとめると、• 不足した「陰」を補い、高ぶった心身を鎮める • 喉や口の乾き、ほてりをやわらげる • 目の疲れ、まぶたの重さを整える • 自律神経のバランスを調える

特に、「疲れているのに眠れない」「夜中に何度も目が覚める」「明け方に目が冴える」といったタイプの不眠におすすめのツボです。

セルフケアのやり方

【指圧】
親指の腹を照海に当て、息を吐きながらゆっくり5秒押し、力を抜いて5秒休む。これを左右それぞれ5回ほど繰り返します。痛気持ちいい程度の強さで十分です。

【おすすめのタイミング】
入浴後や就寝前、布団の中で行うと効果的です。深い呼吸とセットで行うと、よりリラックスできます。

【温める】
冷えを感じる方は、お灸や蒸しタオルで照海を温めるのもおすすめです。

眠りは、体からのお便り

眠れない夜は、心や体が「少し休ませてほしい」と発しているサインでもあります。

照海をやさしく押しながら、ゆっくりと深い呼吸を重ねてみてください。指先のぬくもりが伝わる小さな時間が、張りつめた一日をほどき、自然な眠りへの扉をそっと開いてくれるはずです。