肩こり:肩を前に引く筋肉も凝っている

肩こりは現代人の多くが抱える悩みの一つです。長時間のデスクワークやスマホの使用により、肩や首の筋肉が凝り固まってしまうのが主な原因です。肩こりを解消するには、凝っている筋肉をほぐすことが大切ですが、それだけでは不十分かもしれません。

実は、肩こりを改善するには、肩甲骨を前に引っ張る筋肉もほぐすことが重要なのです。肩甲骨は背中にある三角形の骨で、肩の動きに大きく関わっています。以下の筋肉が肩甲骨を前に引っ張る働きをしています。

  1. 大胸筋:胸の大部分を占める大きな筋肉で、肩甲骨を前に引き寄せます。
  2. 小胸筋:大胸筋の下にある小さな筋肉で、肩甲骨を前下方に引き寄せます。
  3. 前鋸筋:肩甲骨の内側から肋骨に付着する筋肉で、肩甲骨を前に引き寄せます。
  4. 烏口腕筋:肩甲骨の烏口突起から上腕骨に付着する筋肉で、肩甲骨を前に引き寄せます。

これらの筋肉が硬くなると、肩甲骨の動きが制限され、肩や首に負担がかかります。

当院では、これらの筋肉をほぐすために、鍼灸指圧治療を行っています。鍼灸や指圧は筋肉の緊張をやわらげ、血流を改善することで、こりを解消する効果があります。また、自宅でできるストレッチの指導も行っています。

肩甲骨周りの筋肉をほぐすには、以下のようなストレッチがおすすめです。

  1. 胸のストレッチ:ドアの前で片手を壁につき、体を前に倒します。20秒ほど保持し、反対の手でも行います。
  2. 肩甲骨のストレッチ:両手を後ろで組み、肩甲骨を寄せるように背中を丸めます。20秒ほど保持し、ゆっくり元に戻します。
  3. 猫背のストレッチ:四つん這いになり、背中を丸めて頭を下げます。20秒ほど保持し、ゆっくり元に戻します。

これらのストレッチを1日数回行うことで、肩甲骨周りの筋肉が柔らかくなり、肩こりの改善につながります。

また、日常生活では姿勢に気を付けることも大切です。背筋を伸ばし、肩甲骨を背中の方に引くようにしましょう。デスクワークの合間に肩と首を回すなど、こまめに体を動かすことも効果的です。

肩こりは一朝一夕には解消されませんが、コツコツとストレッチを続け、正しい姿勢を心がけることで、徐々に改善していくはずです。凝っている筋肉だけでなく、肩甲骨周りの筋肉もほぐして、快適な毎日を過ごしましょう。

鍼灸指圧治療とセルフケアを組み合わせることで、肩こりのない健康的な生活を手に入れましょう。当院では、患者様一人ひとりに合わせた治療とアドバイスを提供しております。お気軽にご相談ください。